リスのとっときおすそわけ

食をめぐるとっときの時間

スリランカ料理、驚きの連続。



お盆休みの最後の夜に食べたスリランカ料理が忘れられない。
ある日の夕食の数時間に過ぎないのに、一瞬で日本を抜け出して旅に来たみたいな、夏の一夜。

 

この夜訪れたのは、四谷にあるレストラン【BANDARA LANKA(バンダラランカ)】。

あまり馴染みがないスリランカのカレーを出してくれるお店らしく、以前から気になっていた。南インドカレー屋さんで見かけるカレープレートなら食べたことあるから、そんな感じかなと思って行ってみた。私にとっては、初めてのスリランカ料理。



四谷駅を抜けて住宅街を歩く。

お盆休み最後の夜は、来たるべく労働の日々に備えてみんなお家にいるのか、街はひっそりとしていた。心細さもあり、けれどもいつもと違う街の様子に、ちょっとだけ胸が高鳴る。

 

来てびっくり。お店は、木が生い茂る教会の跡地みたいな建物だった。

1ヶ月前の午後6時半は、まだこんなに明るかった

 

重厚な木製の大きなドアを抜けると、修道院のような回廊と小さな中庭が続く。こんな店構えなので、敷居の高いちょっと独特な店なのかなと思っていたけれど、お店の方はとびきりの笑顔で迎えてくれて、安心した。

 

レストランの中に入ると少し雰囲気が変わって、ヨーロッパの老舗ビストロみたい。日本とは思えない空間に飲み込まれ、自分が四谷にいることは忘れかけていた。

 


まずは、セイロンティーレモネードを注文。

甘すぎなくてすっきり美味しい

付け合わせと、カレー2種と、副菜を組み合わせて選ぶのがおすすめの食べ方ですと店員さんが説明してくれた。めちゃくちゃ迷ってしまった〜全部食べてみたいもん。

 

選ばれたにんじんサラダ。

 

カフェで食べるようなキャロットラペに見えるけど、結構違う。ベースはレモンを使った軽い酸味のある味だけど、カツオ(うろ覚え)とココナッツが入っていて、どこか乾物を使った日本のお惣菜にも近いような味わい…。そう、切り干し大根のような。

シャッキリ、旨味あり。無限に食べられる味。これ好きだ。

 

さばのコロッケも美味しい。(ソースは激辛注意)

中東のコロッケにちょっとだけ似ている?


カレーも来た。

チキンの辛いカレー(右)と豆のまろやかなカレー(左)

奥にあるのが、茄子と夏野菜を使った付け合せ

 

一皿に盛り付けて、カレープレートの完成。

 

すべてをちょっとづつスプーンですくって、一気に食べる。

香辛料の香り、豆のしっとりほくっと甘い食感、あ、やっぱり辛い、そして苦みもある???様々な刺激に脳内処理が追いつかず、ただただ美味しい。

 

インドのカレーとは使われているオイルや香辛料が全然違うんですと、店員さんが言っていた。スパイスで食欲を司る神経が刺激されたのか、普段なら食べられない量のお米を平らげてしまった。

これは体験しないとわからない、魅惑のカレーだと思う。

最後はカルダモンとシナモンのプリン、セイロンティー

普通のプリンを食べたい人には注意な味かも…笑 スパイスの香りと味がガツンと来る。

カルダモンが好きには嬉しいデザートだ。

 

 

教会跡地のように見えたお店だけど、古い建物の再利用ではなく、このお店をオープンするために建てられたのだそう。
壁一面に描かれた大きな絵の中に天蓋(てんがい)が描かれていて、お店と風景が地続きになっているように見える。ここは、スリランカの田園地帯に立つ回廊のレストランなのかなぁ。

 

静かで心地よい時間が流れるレストラン。
眠っていた食欲を目覚めさせる不思議で美味しい料理。

お酒は飲んでいないはずなのに、
ふわふわした夢の中みたいな夜。

次に来たらもう二度と見つけ出せないお店...だったりして