胡桃堂喫茶店のことをブログに書こうと思い、下書きを放置してはや半年。
季節ごとに変わるデザートのことをメインに紹介しようかと思っていたけど、今日久しぶりに行ってきて、書くことを少し変えたくなった。
胡桃堂喫茶店がある国分寺駅までは、1時間以上電車に乗らなければいけない。
なかなか遠い。
それでも私は、ここに来たくなる。
足を運ぶ理由の1つ目が、定食とデザートが好きだから。
2つ目が、店員さんのおもてなし精神のある優しい接客が好きだから。
3つ目が、考え事を整理するの場所として、この喫茶店が一番落ち着いて集中できるから。
煮詰まってこんがらがった悩み事たちをこの場所で整理したいなと思っていたところ、11月から里芋と鮭の豆乳グラタン定食が始まりますよとインスタグラムを見た。これは、行かなあかんとやって参りました。
一人で胡桃堂喫茶店に来るときは、窓際の席が一番好きなのだけど、
運が良いのか、店員さんが配慮してくれているのか、「この人は、煮詰まった悩みを窓際で悶々と考えたい顔をしているぞ」とばれているか、いつも窓の席に通してくれる。
店内は、静かすぎず、でもがやがやしすぎず、お客さんの層も様々で、夕暮れのおしゃべりみたいなゆったりした時間が流れているので、どこの席でも一人が心地よいのだろうけど。
自分に向き合いたいときに、やっぱり窓際に通してもらえるのはありがたいです。
グラタンのベシャメルソースは里芋のとろみと豆乳だけで作ってるんだって。
小麦粉と牛乳無しでくどさがなく、手が込んでいる。
白味噌と昆布出汁の味噌汁もじんわりほぐれる。美味しいお味噌汁ってごちそうになる。
あとね、今なら季節のデザートがかぼちゃのプリンで、これがとっても美味しいのです。深まる秋に身をゆだね、口も心もホクホク、ホクホクとしてくる。
実は、昨年の同じ時期にも、人生の壁にぶつかって、ここに来た。
そのときに救われたのが、お手紙コーヒーというもの。
これは、自分の悩みや、誰かに聞いてみたいことをはがきの上半分に書いて、自分の住所も書いてお手紙コーヒーの棚に並べておく。(住所部分には個人情報保護シールを貼るよ)後日、違うお客さんが返事を書きたいはがきを選んで、店員さんに渡し、返事が書かれたはがきを自分宛てに発送してくれる、というシステム。
発信者(私)は、返事をくれた誰かに向けてお礼としてコーヒーを一杯おごるのです。
昨年私が書いたはがきにお返事をくれたのが、”くるみさん”だった。
私はきっとあなたより50歳以上年上だと思います。
人生50年長く生きてきましたが、今でもいろんなことに悩んでいます。ただひとつだけ言えるのは、その時その時で悩んで考えて、そして何かを選んできたということです。選んだ時は その時点では、ベストと思って決めたんだと思います。で、今がある。ひとつの人生があります。明日は来ます!!
2023年10月4日 ごちそうになたくるみより。
P.S 前に進まないで立ち止まっているのもひとつの選択です、しばらく立ち止まっている時間も大切です。
お会いできませんが、リスさん、あなたのことが気がかりです。遠くから応援しています!!良き人生を!!コーヒーをありがとう!!
励ましの言葉がほしいと書いた私に、お返事をくれたくるみさん。
このはがきは、今も私の手帳に入っている。
このメッセージを見ると私はいつも泣いてしまう。一年たった今でも私は前に進んでいるのかいないのか、わからないような毎日だけど、
会えない他者を応援してくれる心が、この世界のどこかにはあるのだなと思うと、
心が震えずにはいられないのだ。
このお手紙コーヒーが、今日私が行ったときにはなくなっていた。
どこか寂しい気持ちになった。今日またお手紙コーヒーやろうかなと思っていたから。
一人でいたとしても、「みんな誰かの声を聞きたがっているんだな」と感じる一瞬の交流があるかないかって、だいぶ大きい違いだと思う。お手紙コーヒーがなくなってしまったことは残念だけど、くるみさんみたいな大人がどこかにいることは私の救いになったし、誰かの心に触れるような体験は、これからも自分から探していけたらいいなと思うのです。
また物思いにふけりたくなったら、胡桃堂喫茶店に行こうかな。