リスのとっときおすそわけ

食をめぐるとっときの時間

真夏の鎌倉と静かなたのしみ

 

こんばんは。

ここ2ヶ月くらい、悩み事や挑戦したいことが重なり、ブログを書くのが久しぶりになってしまいました。

また発信したい気持ちがふつふつと湧いてきたところで、今回は、お盆の連休で行ってきた鎌倉のことを書こうかな。

 

鎌倉って、飲食店の選択肢が多いように見えて、中にはザ・観光客向けのお店もあるので、ここは本当に美味しいのだろうか、ゆっくりと過ごせる雰囲気なのかしらと、意外にいいお店を見つけるのが大変だったりしませんか?

日帰りで行けるけど、一度に楽しめるスポットには限界があるし、せっかく行くならいいお店に行きたい。そうして、失敗もしながら少しずつ鎌倉を開拓していく、というのが数年前からの私の地味なミッションになっていたりする。

 

そして今回はとてもいい場所に行き着くことができたので、みんなにもぜひ行ってほしいなあ。

 

 

駅の真横に実はある。お茶とごはんsahan

 まずはお昼ご飯へ。鎌倉駅西口を出た後、すぐ右に行くと線路沿いに細い道がある。すぐ近くに高架下のトンネルもあり、思わずそちらに行きたくなるんだけど、そっちじゃないのよ。

こんな道があったのかと感心していると、ものの1、2分くらいで着いてしまう。

通りすぎてしまいそうなビルの2階まで、階段を上がっていく。

夕食の時間まで営業しているみたいだけど、なくなり次第終了なので、お昼に行くのが確実かな。

お席はテーブルが少しと、目の前の線路と平行になるように壁伝いのお席がある。今回はテーブルだったけど、窓際のお席は、一人で行った時にもとても居心地が良さそう。

読書とか、考え事を整理したりとか、長居してしまいそうだよね。

sahanの定食は、主食がご飯とパンで週替わり。月が変わるとまた新しいメニューになる。

私が行った日はパンの週だった。

左上からチャプチェ、蒸し鶏ネギゴマソースがけ、サラダ、かぼちゃスープ、パン

木のトレーに収まっている食器がかわいい。

パンが主食なのに、ちょっと和の家庭料理っぽいおかずメニューでおもしろいなと思ったけど、真ん中のかぼちゃスープがあるおかげか、自然と馴染んでくれた。

メインの蒸し鶏がしっとりとしていてすごく美味しかった。この下に、人参と大根のなますが敷かれているんだけど、甘酢とごまで和えられている。なますまで、一皿全て美味しくいただけるのが嬉しいな。

量も多すぎず少なすぎず、一つ一つを味わって食べると自然と満たされていく、幸せなご飯でした。

 

蒸し暑いけど、浄妙寺に行く。

 お昼ご飯を食べた後、夏真っ盛りの緑に囲まれたお庭が見たくなり、バスに乗って浄妙寺へ。ここからほど近い一条恵観山荘に行ってみたいと前々から思っていたのだけど、この日は休業日で、また次の機会に。

 

バス停を乗る場所を間違えて、結構歩くことになってしまった…。

小川糸さんの鎌倉を舞台にした小説《ツバキ文具店》をちょうど読んでるところなんだけど、そこにも”夏の鎌倉は実は閑散期だ”と書いてあり、なるほどたしかに暑くて、鎌倉散歩も長時間は厳しいなと実感。お盆でも混みすぎていなかったので、ごった返した鎌倉をあるきたくない人には狙い目かもしれない。

 

お寺に到着。人は数人いる程度でひっそりとしていた。茶屋で休憩。

ほの暗い茶屋から眺める庭の緑が、より一層鮮烈に映る。

こちら、ほとんど野外と同じ状態なので、見た目の涼しさほどは涼しくない笑

だけど、蝉の鳴き声を聞きながら冷抹茶をいただくと、心がだんだんと落ち着いてきた。

足利家の人々が供養されたお寺ということで、足利の家紋を型どった落雁
今気がついたけど、家紋の線の向きは横向きなのに、間違えて置いているぞ私。

14時半に行ったら品切れしていたけど、抹茶に付くお菓子は、季節の上生菓子もあるみたい。

 

水の波紋を撮るのに一生懸命

お抹茶とお庭の撮影を楽しんだ後は、この日一番楽しみにしていた場所へ・・・。

 

「レモンシュください!」―cafe vivement dimanche 

 カフェ・ヴィヴィモン ディモンシュは鎌倉で有名な老舗カフェだから、知っている方も多いのかな?今年で29周年なんだって!すごい。

西日が降り注ぐ中、外で待っていたらお店の方がお冷を持ってきてくれた。

気配りのお店だ〜。

店名はフランス語で、”日曜日が待ち遠しい”。

店内に入ると名物のプリンパフェ(こっちも食べてみたい)を頼んでいるお客さんが多くて、あれ、今日の私のお目当てを食べている人がいない・・・あんなに美味しそうなのに、おかしいぞ。まさか、う・り・き・れ??

不安を抱きつつ、「レモンシュください!」と店員さんに伝えると、第一声が

「あ〜〜〜」と意味ありげな返答。

まさかと思ったら、次に続いた言葉は、

「これを食べに来てくださったんですか?」

よかったよかった。無くなっちゃいました、ではなかった笑

これを楽しみに来ました!とうわずった声で伝えたら、店員さんも心なしか嬉しそう。

レモンシュって名前、なんだろう、かわいいよね。店名のもじったのかな?

なんてキュートなんだ!

ミントが乗っかっていて少し分かりづらいけど、”れもん”って書いてあるんだよ。

レモンの爽やかなジェラートの下には生クリームとレモンムース、ザクザク塩気がある美味しいクッキー、レモンジュレやバニラ香るパンナコッタが入っている。最後まで美味しいレモンシュちゃん。8月限定のメニューだそうで、もっと早くブログを書きたかった…。

 

ちなみに店員さんが、英語の"Lemon"のメレンゲ飾りの方が多くて、平仮名の"れもん"はレアなんですよと教えてくれた。

もしかして、楽しみに来たと伝えたからレアバージョンをくれたのかなあ。違うのかもだけど、勝手に粋な計らい認定。

 

日帰り旅の終わりに海へ。

お口が爽やかになったところで、江ノ電に乗り、七里ヶ浜から、稲村ヶ崎の海辺道をお散歩。

霞(かすみ)の向こうに江ノ島のある夕暮れが美しい。

だけど、台風が来る前だからか蒸し暑くて強風!ここでレモンシュの爽やかさが一気に失われていく…笑 これもまた夏の思い出ということで、いいか。

もう少し涼しくなったら、夕暮れの海岸の風も、もう少し心地のよいものになっているはず。

 

汗をかきつつ蝉の声に耳を傾け、カフェで涼んで。

真夏の鎌倉もなかなか風情があるのだなあ。