上野駅東口
って、行くことありますか?
私はほとんどありません。
美術館とか、公園とか、私が行く場所は全部西口だし、
そもそも上野は美味しいご飯がゆっくりと食べられるお店があまりないイメージ。
七草粥の日のちょうど前日、食通のお友達に教えてもらって行ってみたかった、
お粥がメインのレストラン、HENGENへ。
この界隈は飲食店も無い場所で、どこか殺風景。
低いビルの谷間をくぐり抜けていくと、そこだけ異国情緒が漂う、深緑のドアが素敵なお店にたどり着いた。
中華?和食?エスニック?どれにもはまらない、未知の食の領域。
店内の1階は狭いけど、案内された2階の席は一つのテーブルが大きくて、くつろいで食事できそう!早速テンションが上がります。
店内が素敵なので周りの席をキョロキョロしてしまう。
予約していた健美粥コースは、前菜、お料理、お粥(と、付け合せ)、お茶とデザートがついて¥3,850。
コースメニューの紹介文によると、店名のHENGENは、東洋の食の知恵をベースに、日本の旬の食材を”変幻自在”に操ることからきているそう。
まず出てきた前菜の野菜のローストは、蓮の葉に包んで蒸して調理してある。
ご飯を蓮の葉に包んで蒸す料理がベトナムにあるようで、そうすると蓮の葉の香りが食材に移って美味しいのだそう。蓮の花ってよくベトナム料理店のロゴのモチーフにもなっていたりするし、蓮のイメージ、確かにしっくりくる。
このお野菜にもいい香りが移っていて、ただの切った野菜がこんなに美味しく感じられることに感動。
お次は2種類から選べるお肉orお魚料理。
私は、お肉を選択。
「このタレがクセになるとおっしゃる方が多いんですよ。」とお店の方。
パクチーがはあまり得意でないのだけど、このタレは本当に病みつきになる味だった。お肉と野菜の味を殺さない程度に、決して強い味付けではないけど、酸味がちょうどよくて、、、おかわりが欲しいです(笑)
次にメインのお粥。
やはり、お粥のお店だけあって、今まで食べたお粥の中で一番美味しい。
付け合わせなしで食べると雑穀米の甘みが強く感じられて、食材の持つエネルギーが体に入っていく感覚があった。味覚を集中させて食べると、自然とお腹も満たされますよね。
付け合せは、少し濃い目な味付けにしてあって、白っぽく見える長芋、たらこ、ディルのソテーが特に美味しかった。ここだけちょっと北欧っぽさがあって面白いな。
デザートは、アジアの色々な食文化が混ざりあった、工夫が凝らされたメニュー。
黒豆茶は杏仁(あんずの種の核の部分)が入っていて、お茶自体に甘みは無く、杏仁豆腐特有の香りだけがふわっと漂う。
チョコレートに紹興酒はよく考えたなあ。アルコール分は飛ばしてあって、香るだけなので、苦手な方も美味しくいただけると思います。
中に百合根、あずき、苺が入っていて、日本のお汁粉というよりは、ベトナムのチェーというデザートに近いかな。でも、洋菓子のような味わいもあり・・・
これぞ、未知の体験。
ご褒美に行きたい場所、また一つ増えた。
席はお昼時すべて埋まっていたので、予約していくのが良さそう。
今回私はサークル時代の先輩と来たけれど、お客さんの中には一人で来ている方もいて、日常に疲れたとき、気分を変えたいときにも、とてもいいお店だと思いました。
温かい光とアジアの音楽、香りに包まれる食体験、いかがでしょう^^