リスのとっときおすそわけ

食をめぐるとっときの時間

一生に一度の一皿を食べに【西荻窪・ごゆるり】

 
楽しみにしていたご飯の日

 

 お気入りのラジオ番組、J-WAVEのALL GOOD FRIDAYで紹介されたお店がふと耳に止まった。

「当店では一生に一度の一皿をお客様と作っています」と明るく優しい声の店主さんが話しているのを聞いて、直感的に行きたい!と思い、予約できる日を探して、趣味の合うお友達を誘ってみた。

 

こちらのお店、毎日営業されているわけではなく、かつ予約制なので、いつでも行ける気軽さはないのだけど、その代わり、行くのが楽しみになる仕掛けがある。

事前にアンケートが送られてきて、好きな料理・食材、最近の食生活の悩みなどに答え、店主さんがその日に集うお客さんの好みをバランスよくワンプレートに仕立て上げ、「一生に一度の一皿」を完成させるのだ。

 

私がいなかったら成り立たないメニューをいただける!

そんなわくわくした気持ちでお店に到着。

お店は古民家を改装していて、昔の家庭にお邪魔したみたいなほっとできる空間。

 
冬と春をつなぐ、季節のご馳走ワンプレートが目の前に

 

楽しみにしていた今日の一皿がこちら。

 

本当は写真に手書きで文字入れしたいのだけど、技を習得前なので仕方なし・・・

左から、とろとろかぶのポタージュ、黒ごまきなこ焼き芋、サラダほうれん草と豆腐クリーム、エノキと茄子の焼きびたし、アボカドのナムル、いちごとデコポンのサラダ、キャベツとチキントマト煮、旨塩れんこんソテー、バジルポテトチーズオムレツ。そして菜の花のお味噌汁。

 

こんなにたくさんの食材が、違った調理方法で少しづついただける機会ってなかなかないように思う。私は、かぶ、さつまいも、デコポン、れんこん、チーズを好きな食材として事前アンケートに書いていたので、5つも好きなものが採用された!

 

まず、ポタージュとお味噌汁という、異なる汁物が一つのメニューに入っているのがおもしろい。でも違和感はなし。かぶのポタージュは玉ねぎと塩麹だけで味付けされているそうだけど、言われなかったらミルクを使っていると思ってしまうまろやかさで、かぶの筋も感じさせず、とても美味しかった。

 

焼き芋もお店で作ったそうで、とても甘くてねっとり。お上手な焼き芋。

 

ほうれん草は、白和えをイメージして豆腐のクリームが添えられている。生でも食べられるサラダほうれん草の味を際立出せるため、茹でるのではなくさっとソテーして、あえて和えずに(あ、ダジャレではないの・・・)豆腐と分けたそう。この豆腐クリームもフレッシュタイプのチーズのように濃厚!よく考えられているなあと関心してしまう。

デコポンのサラダはバルサミコの味付けで爽やか。美味しい。

 

そしてれんこんのソテーは、焼いて塩を振ってあるだけなのだけど、シャッキリとほっくりが際立って、お塩のみ味付けがれんこんを引き立てていた。

シンプルの極みのような調理法でここまで美味しくなるとは。私の中での料理のハードルも下がり、帰ったその日に自宅で同じものを作ってみたけど、お店と同じように美味しくできた。

 

デザートはちょこんとかわいい豆皿に乗った焼きリンゴと、追加で頼んだスパイスコーラのミルク割り。

 

冬らしい根菜類、春を告げるデコポンと菜の花、締めは冬の名残を感じるなきゅんと酸っぱいりんごを味わうことに集中していたら、自分の体の感覚や今生きている時間にまで意識が向いて、穏やかな気持になれました。3月上旬という季節を詰め込んだような一皿で、食から季節を感じれるのもよかったなあ。

 
最近自分を労れていないな、というすべての方に

 私が行った土曜日は、女の子二人組みで来ている人や、お母さんと娘ちゃん、一人で来ている男性まで、結構いろんな層の人がいたな。

外食って、どこか肩肘張って席についたり、自分がおしゃれな店にいるなんて居心地が悪い・・・と感じるシーンもあるけれど、

「ごゆるり」の店名通り、目の前の一皿をじっくりと味わうことを受け入れてくれるような温かいお店に感じました。

 

ぜひ予約して、自分に「ごゆるりする日」をプレゼントしてあげてみてはいかがでしょうか^^?