リスのとっときおすそわけ

食をめぐるとっときの時間

何もない休日、スープを作ってパンを添えて。

ポタージュへの愛

 

2月のとある土曜日。

 

たまった洗濯物やら掃除やらを午前に終わらせて、一日を充実させることをして...と前日にあれこれ考えを巡らせていたのに、微妙に寝坊してしまった朝。

 

計画が早々に頓挫して、浮き立った気分が急にしぼみそうになったけれど、いやいや、まだあきらめるは早い、今日を「いい一日」に昇格させるぞ!と思いついたのが、スープ作り。

朝ごはんにはもう遅く、ブランチが決定してしまった時間帯でも、スープ一品を作ることならできる。

 

特に、ポタージュスープが大好きだ。

私にとって、かぼちゃと人参はポタージュのおなじみメンバーで、他にもさつまいも、とうもろこし、ビーツ、ごぼうなどの野菜でも、実家に暮らしていた頃に母が作ってくれたことがある。野菜の色と香りが凝縮されたピューレに、乳製品のコクとまろやかさが加わった贅沢なスープは、口にすると食道と胃が内側から温まってきて、心までほぐれてくる気がする。

 

 

よし、作ってみよう

近くの八百屋さんで、メキシコ産かぼちゃ(北海道産とか国産はやっぱり夏しか出回らないのかなあ)と、新玉ねぎ3つで100円(嬉しい♡)を買ってきた。

 

バターで玉ねぎを炒めるとかぐわしい香りがキッチンに立ち込めた。
この工程、料理の中で、一番好きかもしれない。

ただでさえ柔らかい新たまちゃんは、すぐにくたくたになる。

玉ねぎに透明感が出てきつね色になり始めたらかぼちゃとお水、コンソメを投入。
かぼちゃを柔らかくする。

かぼちゃが柔らかくなったら、ミキサーに水ごと投入して、かぼちゃ&玉ねぎピューレにする。ブレンダーがあれば、お鍋からの移し変えがいらないんだけどね。

ピューレできた。また火にかけて、牛乳を入れる。

ミルクの白とかぼちゃの黄色がマーブル模様。もうすぐできるぞ〜

塩で味を調えて・・・できた。

 

ブランチいただきます

 

いただきます。

 

きれいな黄色のスープに添えたのは、ロデヴというパン。

のっぺり、ぽってりという表現が似合う、温かみのあるフォルム。

ロデヴ、少し前までは知らかったけど、偶然近くのパン屋さんで見つけて、どこか心惹かれるものがあり、買ってみたらその美味しさに感動。

高加水パンと言われるもので、中がもっちりとしているのが特徴。小麦の風味もとても良く感じられる。カットした断面を観察すると、いかにもたくさんこねられて、むくむく発酵した痕跡がうかがえる、気泡がたくさんの生地。

食感のイメージは、どこかカヌレに似ている気がする。
水分が飛んでしまうので、パン屋さんで見つけたらぜひその日のうちに食べてみて。

ネットでロデヴを検索すると、南フランスの一部の地方で古くから作られているパンらしい。ロデブ発祥の地の美しい街並みの写真を見ると、素朴なこのパンが似合う街なんだろうなと想像できて、フランスに行きたくなっちゃった。

スープと美味しいパンがあれば、ごちそうになる。

 

ゆっくりと起きて、できる過程に心を預けてスープを作り、そこに美味しいパンを添えれば、今日という日はささやかなごちそうを味わった、すてきな休日だ。

市販のスープでもいいけれど、多めに作ればまた次の朝にもお楽しみが待っているのも手作りの嬉しいところ。

 

身体と心を温めるゆったりとした休日、こんな日がまたあってもいいな。