リスのとっときおすそわけ

食をめぐるとっときの時間

ワインも料理もお好きなままに。【馬喰町・MELLOW】

 


GWも終盤ですね。

 

 私はゴールデンウィークはゆっくり派なのですが、今年は初めて旅行に行き、さっき帰ってきました。

楽しかったけど人手がすごくて、駅のコインロッカーが全滅…。来年からはまたゆっくりの過ごし方に戻そうかなぁ。

遠出しなくても、新緑の季節に外を歩いて、暑い日にはアイスカフェラテとかを携えて、それもまた初夏の素敵な過ごし方だよなぁ。

 

華金のお楽しみ

 少し前になるけど、連休前の仕事最終日の金曜日に、大学時代の友達を誘って晩御飯を食べてきた。9連休に入る前なのに突然思ってもみなかった仕事が降ってきてしまったこの日。血眼になってパソコンにしがみつきなんとか仕事を終え、私がずっと気になっていたお店がある馬喰町に向かう。

 

【MELLOW】は、昼はパスタのランチをやっていて、夜は、前菜、メイン、パスタ、お酒を幅広いメニューで揃えており、男性の店員さんが一人で切り盛りしている。

カウンターで、最大8人くらいがひしめき合って座る店内なんだけど、親しい友人と一緒に、会っていなかった時間のこと、そしてこれからの未来について楽しく語らうには、ちょうどいい距離感のお店だった。

 

 お一人で作っているのに、メニューの数が多い!お酒も、どうやら毎回違うワイナリーのナチュラルワインを仕入れているようなので、行くたびに、今日はこんなのがあります、と紹介してくれる方式のようだった。

個人でやられているお店って、作る人の気まぐれがその日のメニューに反映されていて、すごく楽しい。

 

この日選ばれたメニューは・・・

メニューが多く、しかもどれも美味しそうなので、友達と迷ってしまったけど、気になる4品を選んでみた。こういうお店だと自分たちで好きなものを詰め合わせたコースを作るような楽しさがあるよね。

 

 お酒はロゼワインにしてみた。普段外食してもお酒はあまり飲まないけど、この日いただいたワインは、お酒がきつすぎず、ぶどうの皮のえぐみが美味しく混ざり合っているような味で新鮮だった。

 

前菜一品目は、水牛モッツァレラと色々トマトのカプレーゼ

刻んだ玉ねぎが甘めのビネガーに和えてあるところに、手を抜かず美味しい一皿を作ろうという心意気が伝わってくる。トマトもチーズもごろっとしていて、最初にいただく一皿が美味しくて早速満足♡

 

前菜二品目は、炙りしめ鯖のブルスケッタ

素朴なパンの上に、チーズが乗っていて、しめ鯖の酸味とチーズがとても良く合う〜!!そして、ワインとも相性抜群なのは言うまでもなく。なんてことない一品も完成度が高い。

 

メインは、ナヴァランプランタニエ(Navarin Printanier )

これは、子羊の肩肉と春野菜の煮込みで、今回頼んだ中ではこれだけフランスの料理。

キャベツ、アスパラ、玉ねぎたっぷり。お肉もごろっと。

トマトと野菜の汁で、羊を煮込んで、それを軽くオーブンで焼いてくれているのかな。

トマトベースの料理って酸味があるけど、この煮込みは、羊のお肉のコクと甘さが滲み出ていて、なんとまろやかなんでしょう。フランスのお母さんの手作りの味ってこんなかんじなんだろうな、というのが、馬喰町で出会えた偶然よ。小手先で作れるものじゃなくて、こんな優しい一品も作ってくれるMELLOWさん、すごい。

 

 

最後は、しらすとしめじの生海苔カルボナーラ

お皿に描かれたネイビーのライン、乳白色の磁気の色合い、分厚くて結構重いこのお皿、なんだか、フランスやイタリアの街角のバルや飾らないレストランで出てきそうな風貌で、このお皿に盛られたパスタも一層美味しそうに見える・・・。

このお店では生パスタを使っていて、もちもちした食感。少しの磯の風味と、唐辛子のアクセントもよかった。

 

食事の終わりに

楽しくお話して、お酒と料理をいただいて、なんだか久しぶりにとても気持ちいい夜だった。夜ご飯を外食することがあまりなのだけど、一日の終わりにカウンターで気さくに飲んで、食べて、楽しい気持ちのまま帰って、あとは寝るだけというのもいいものだなと分かった。

パスタ以外の前菜やメインのメニューは夜限定だし、MELLOWさんのメニューの多彩さを味わうなら夜に来るのがいいのかも!

 

親しい誰かと話しながら、次はどれを頼もうかと悩む夜のお楽しみ。

私にとっては少し非日常な、でもなんだかくせになってしまいそうなお店でした。

 

 

マドレーヌ、自分で作って自分で食べる

 

図らずも一句読めてしまった、ブログタイトル。

 

このブログのリスちゃんが手に持っているのは実はマドレーヌなのですが、お気づきの方はいるのでしょうか…笑 ブログの背景写真も数年前に作ったマドレーヌ。

 

何を隠そう、私はマドレーヌ作りが大好きなのです。

 

ケーキや焼き菓子はやはりお店の味には叶わないなぁと思うことも多いけれど、マドレーヌは自分で作ったマドレーヌが一番美味しいと思ってる。自信満々に言うことは憚られるけど、心の中でね。

 

そして、マドレーヌは作るのがとても簡単。

スーパーを物色しても興味を惹かれるおやつがないとき、まぁこれでいっかと選ぶよりも、少しだけ時間をかけさえすれば、数日間は素敵なおやつ時間が確保されるのだ。

人にあげるのもいいけど、たまには自分で隠し持つためのおやつ作りも楽しい。

 

マドレーヌ作りのポイントは、一つ、粉を混ぜる時に混ぜ混ぜしすぎず、下から上に切るようにしてふんわり混ぜること、二つ、レモンの皮を入れること!

表皮の黄色いところだけ、すりおろして入れる。 レモンの爽やかな香りがたまない!

マドレーヌのレシピはネットにもたくさん出ていると思うので、その通りにつくれば美味しくできると思うけど、6〜7個作る場合はレモン半分、その倍の量作るのであればレモン1個分の皮を、粉を入れる一つ前の段階で、ぜひとも入れてみてください。

 

美味しく焼けるか見守り隊

オーブンで15分焼くこと、完成。

焼けた。

本当は翌日以降、しっとりしたのが美味しいのだけど、とてもいい香りがするので、この日は思わず焼き上がりを一つ食べちゃった。

 

そして翌日は、居住まいを正して一人お茶会。白いフリルのケーキ皿がよくお似合い。

 

 ご飯を作るのは生きていくために必要だけど、お菓子つくりのために時間を使うというのはよく考えたらとても贅沢な時間の使い方。粉を正確に測る時間とか、焼き上がりを待ってお皿を洗う時間とか、無心なんだけど、同時に、美味しいものが自分の背後で出来上がりつつあることに、静かな喜びで満たされるかんじもする。

 

 人と会うのが少し疲れちゃったなというときも、こうしてお菓子を作る時間に身を委ねるのはいいものだ。

それが難易度の高いお菓子なら、心休まるどころか、ああ〜生焼けだ!とか、工程が多くてもう疲れた・・・とうことにもなりかねそうだけど。

マドレーヌは私の相棒のお菓子だよ、ありがとう。

 

 

手作りサンドイッチを持って、私の冒険。

”サンドイッチを一からちゃんと作りたい”欲

 

私は定期的に、雑誌や料理本SNSで見かけたレシピをめちゃくちゃ作りたくなるスイッチが入る瞬間がある。いざ作ろうと思ったらうきうきしてきて、その日の仕事もいつもよりちょっと頑張れちゃう。

 

外食のご飯もいいけれど、毎週ごとに行っている金銭的余裕もない。

それに、受け身で楽しむばかりでなくて、ご飯を作る過程をエンターテイメントとして楽しむ時間も大好きだ。

 

電車の中で、北欧暮らしの道具店のコラムを見ていたら、【ごきげんサンド】という特集記事が目に入った。第一弾は定番のサンドイッチと題して、レタス、トマト、ハムなどが入った、たしかに定番といえる具材のレシピが紹介されていた。

 

【ごきげんサンド】01:おいしさの秘密は重ねる順番。とろっと卵とチーズが嬉しい「定番サンドイッチ」 - 北欧、暮らしの道具店

 

素敵なエプロンをつけた料理家の小堀紀代美さんが、手慣れた感じでレタスやトマトにぱらっとお塩を落として、最後に手でぎゅっとプレスして完成したサンドイッチの写真はそれはそれは魅力的で、この写真を見た瞬間に、「よし!これを作ってピクニックに行こう!」と、いとも鮮やかに週末を彩る過ごし方をひらめいた。

 

今回のブログはサンドイッチ作りと併せてピクニックの記録も書いてみたので、そちらもお楽しみくださいね。

 

作ってみよう。

ピクニックの場所は自宅から少し離れたところなので、寝坊してなるものかという使命感で朝はちゃんと起きたぞ。

6枚切りパンをトースト

このレシピで一番勉強になったのが、レタスに少し塩をして、折りたたんでパンに乗せること。コンパクトなエコバッグみたいになってしまったレタスがなんだか愛おしい笑

バターをジュッ 半熟卵を作る。

すべて乗っかりました。なかなかのボリューム!
ちなみにハムは普段買うのより少しお高い切り落としロースハムを買ってみました^^
 
出発進行!

本日ピクニックに選んだ場所は・・・「渡良瀬遊水地」でございます。

この日は実は平日だったので、駅から歩いて同じ場所に向かうであろう人は、私以外ほとんどおらず・・・自由奔放に見知らぬ所へ来てしまったよという、不思議な背徳感と高揚感。

田舎の坂道をぐんぐん歩いてく

この先に埼玉、栃木、茨城にまたがる道の駅があって、そこでレンタサイクルしたよ。

渡良瀬遊水地はこの道の駅のすぐ横。かなり敷地が広いので、ランチの定位置探しを抜かりなく行うため、自転車というアイテムを得て身軽になった。

 

えっ、ここは北海道?軽井沢? 私はどこに来たのだろう

本格的なサイクリストが後ろから通り越していく中、私はふつーの自転車でひた走る。

そう、意外と私はたくましいところがあるのだ。

 

借りた自転車がたまたま私の好きなモスグリーン色で嬉しい。
 
今日はここに決ーめた!

ひた走ること50分(走りすぎ)。ついに理想的なランチの場所を発見。

川や湖が見える場所や、バーベキューできる広場のほうが休憩場所としてはメジャーだったけど、今日は心ゆくまでピクニックを楽しむため、ひと目のつかない場所を選んだ。

 

この中にサンドイッチ入ってます。

「カゴいっぱいにベリーをつんで、家に帰ってジャムを作る」

 

小さい頃、母に読んでもらったスウェーデンのエルサ・ベスコフさんの絵本や、北欧やバルト三国を舞台にした小説に出てきた、こんな場面。このシーンに昔から本当に憧れていて、今もぼんやりとした夢の一つとしてある。こうしてかごにサンドイッチを入れてきたのも、この憧れからくるもので、お気に入りの布を被せておめかししたカゴを持つだけで、自分がどんなところにも行ける少女のような気持ちになってくる。

 

自転車をこぎすぎてお腹が減ったのよ

トマト、ハム、チーズ、卵、レタスの層がきれい。

我ながら惚れ惚れしちゃった。

 

レシピではクッキングシートでお店みたいに包むやり方を紹介していて、少し難しかったけど、見た目もきれいだし、食べやすかった。

気持ちいいっ

食べ終わったあとは、本読んだり文章書いたり昼寝したり、気ままに過ごしました。

なんだか、自分が世界から取り残されたような感覚。

普段人目を気にしている生活から切り離されて、草むらをぼーっと眺めていたらとてもいいリフレッシュになりました。

 
冒険の翌日

6枚切りの食パンとその他の具材が余っていたので、次の日は朝ごはんに全く同じものを作ってみた。

レタスとチーズを前日より一枚増量してボリュームアップ。昨日よりも上達したかな?

この日はいつものテーブルじゃなくて、窓の外(といってもきれいな景色とかではないのだが・・・)を眺めながら食べて、また少し新鮮な気分を味わえたな。

 

こうして、日常を非日常に変える瞬間は楽しいし、自分でもこんなことできたんだと嬉しい発見。あまりお金をかけなくてもこういう楽しみもあるのだよな。

生活の中で、ある一日を自分なりの工夫で目一杯楽しんで、多くのことに感動して、次の活力にしていくサイクルを生み出せているという実感が、私の生きる活力かも。

 

サンドイッチとピクニックから話が広がってしまったけど・・・

こんなふうに、生活をより豊かなものに変えていく視点をこれからも大事に、そして多くの人に発信できたらいいな。

 

野菜の美味しさと美しさを味わうレストラン 【CLISP】

桜散らしの雨が続く週末。

 

お花見しながら散歩でもしようかと思っていたのに、よりによって雨とは・・・

そんなお天気でも新宿周辺にやたらと人が多かったのは、この週末にお花見の予定を立てた人が急遽の雨に行き場をなくしていたからかもしれない。

桜ほど開花を待ち望まれる花はないんじゃないかと思うけど、きっと道ゆく人も同じ残念な気持ちだよね。

 

外界を隔てる異空間

 数カ月ぶりに合う友人を誘ってお楽しみのご飯の日。

お店は四谷三丁目のY字路の角の二階にあり、階段を登ってドアをくぐると、外からでは想像できなかった素敵な空間が。

店内に入ってまず目に入る果実漬けのガラス瓶がぐるりと並べられたキッチンカウンター。

 

ブラウンとアイボリー、グレーを基調にしたカラーが絶妙なインテリアに心奪われながら窓際の席に着くと、レースカーテン越しに入るぼんやりとした光がとても穏やかで、心地よい。雨の日のほの暗い影が入り込んだ店内では、電球の灯りも余計に温かみを感じられたと思う。

食事をいただく前から「あぁずっとここにいたいな」という気分になっていた。

 

 

なんだこのドリンクの種類は。

 この日は、前菜3種類とパスタ、メインのお肉、デザートの贅沢なコースで、こちらで選ぶのはドリンクのみ。

しかし!ドリンクのメニューが多すぎて、選ぶのに一苦労な嬉しい悲鳴。カウンターにずらっとならんだシロップやハーブ類の正体は、このドリンクに使われるものだとわかった。

たくさんのメニューから二種類を選ぶことができて、散々迷った末、「ビーツのスパイスコーラ」と季節限定「桜レモン」を選んでみた。

赤ビーツのスパイスコーラ(黃ビーツを使ったドリンクもあった)

桜レモン 桜の花びらがはらりと。

ビーツのスパイスコーラは、きつすぎないスパイスがとてもいい香りで、市販品のコーラというよりもスパイス漬けシロップをお水で割った飲み物。これがとても美味しくて気に入ってしまった。レモンも入って爽やかで飲みやすかったな。

今回はノンアルコールにしたけれど果実酒の種類も豊富で、そのどれも自家製シロップを使っているようだった。薄ら甘いだけの人工的なアルコール飲料とは一線を画すドリンクのメニューはこれだけでも大満足。

 

野菜の名前を覚えるのに必死なお品書き

 前菜一品目はビーツのフムス。アボカト添え。もっちとした美味しいパン付き。

ビーツ、なんて鮮やかでかわいい色なんだろう。最初に出された一皿でまず、野菜の色彩に心を鷲掴みにされる。

色はベリーみたいだけど、ビーツの味わいよりもひよこ豆のほっくり感と、にんにく×オリーブオイルの組み合わせが美味しい!いいオリーブオイルの香りがした。

 

前菜二品目はルッコラ、チコリ、デコポン、ブラットオレンジ、フェタチーズのサラダ。私の好きな柑橘のサラダだ。

チコリって知っていますか?

小さい白菜のような見た目なんだけど、私は少しセロリに近い味わいを感じました。

レタスとか白菜よりも、それ自体に味わいがあるような・・・?ヨーロッパだとサラダに良く食べられている野菜だけど、日本ではあまり見かけないよね。

 

前菜三品目は、ケール、トレビス、蕪、日向夏のサラダ。

この辺から野菜の名前を覚えるのに必死になってきた笑

フリルの付いたお皿が素敵すぎる。

日向夏のレモンイエロー、ケールの緑、トレビス(赤チコリ)の紫、桜色のドレッシング。

普段家で食事していると、野菜の味は味わっても、なかなか色にまで心を配ることはなくて、この一皿が目の前に出てきたときに、なんて美しい春色の組み合わせだろうと感動した。

味付けはとてもシンプルで、野菜のほろ苦さと日向夏の爽やかな酸味がそのまま伝わってくる。見た目の可憐さに反して野菜の味を直に感じる、ある意味ワイルドなサラダだった。

 

四品目は、豚とケールの菜花のトマトパスタ

豚肉は赤ワインで煮込んであるような味わいがして、お肉のコクがトマトの旨味とかけ合わさり、そこにケールのほろ苦さがアクセントになる、絶品パスタでした。

サラダに使われていたのは縮れたパセリのようなケールだけど、こちらは同じケールでも小松菜のようなケール。「菜花といえば、スーパーに並んでいるいわゆる「菜の花」を想像するかと思いますが、白菜とか他の野菜でも、芽が育って最初に出てくる花の部分があるんですよ」と教えてくれた。

 

ケールの菜の花なんて初めて食べた。

新芽が出て、大きく成長する前の一時しか味わえない菜の花。

一つの生命として、これから成長していくパワーが詰まっているのが菜の花だと思うと、それをいただくことにありがたみを感じる。

 

メインは、せせらぎポークとケールのソテー。

この豚肉、くさみが全く無くて、柔らかくジューシーな歯ごたえが美味しい。

先程のパスタと同じケールの菜の花だけど、ソテーされてることでより味わうことができた。

 

最後は、ピスタチオのセミフレッド、アフォガード添え。

セミフレッド(ふんわりしたアイスのようなデザート)に淹れたてエスプレッソをかけていただく。

ピスタチオの味わいが濃くてそれだけで美味しいので、私はそれぞれ単体でいただくのが好きだった。

 

ここまであまり触れてこなかったけれど、使われている食器もすべてかわいくて、美味しい料理の延長線で心の琴線に触れたのでした。

 

めくるめく野菜の世界

 最後の最後まで大満足なコース。

これでお一人¥3,800なのだけど、さまざまな野菜の料理、美味しい手作りの飲みのものをいただき終えて、美味しいものを食べた以上の幸福感に包まれた。お腹いっぱいだけど、不思議と苦しい満腹感がないのは、野菜の味わいを際立たせたシンプルな味付けの料理だったからだと思う。

お店の方によると、季節の野菜が農家から送られてきて、その時に入荷した野菜で料理を作るそうで、どの季節に行っても新鮮な野菜を使った料理がいただけるんだろうなと想像した。

 

普段意識を向けないところにある食材の魅力に気づかせてくれるお店にはなかなか出会えない!またご褒美や特別なときに再訪したいな。

 

一生に一度の一皿を食べに【西荻窪・ごゆるり】

 
楽しみにしていたご飯の日

 

 お気入りのラジオ番組、J-WAVEのALL GOOD FRIDAYで紹介されたお店がふと耳に止まった。

「当店では一生に一度の一皿をお客様と作っています」と明るく優しい声の店主さんが話しているのを聞いて、直感的に行きたい!と思い、予約できる日を探して、趣味の合うお友達を誘ってみた。

 

こちらのお店、毎日営業されているわけではなく、かつ予約制なので、いつでも行ける気軽さはないのだけど、その代わり、行くのが楽しみになる仕掛けがある。

事前にアンケートが送られてきて、好きな料理・食材、最近の食生活の悩みなどに答え、店主さんがその日に集うお客さんの好みをバランスよくワンプレートに仕立て上げ、「一生に一度の一皿」を完成させるのだ。

 

私がいなかったら成り立たないメニューをいただける!

そんなわくわくした気持ちでお店に到着。

お店は古民家を改装していて、昔の家庭にお邪魔したみたいなほっとできる空間。

 
冬と春をつなぐ、季節のご馳走ワンプレートが目の前に

 

楽しみにしていた今日の一皿がこちら。

 

本当は写真に手書きで文字入れしたいのだけど、技を習得前なので仕方なし・・・

左から、とろとろかぶのポタージュ、黒ごまきなこ焼き芋、サラダほうれん草と豆腐クリーム、エノキと茄子の焼きびたし、アボカドのナムル、いちごとデコポンのサラダ、キャベツとチキントマト煮、旨塩れんこんソテー、バジルポテトチーズオムレツ。そして菜の花のお味噌汁。

 

こんなにたくさんの食材が、違った調理方法で少しづついただける機会ってなかなかないように思う。私は、かぶ、さつまいも、デコポン、れんこん、チーズを好きな食材として事前アンケートに書いていたので、5つも好きなものが採用された!

 

まず、ポタージュとお味噌汁という、異なる汁物が一つのメニューに入っているのがおもしろい。でも違和感はなし。かぶのポタージュは玉ねぎと塩麹だけで味付けされているそうだけど、言われなかったらミルクを使っていると思ってしまうまろやかさで、かぶの筋も感じさせず、とても美味しかった。

 

焼き芋もお店で作ったそうで、とても甘くてねっとり。お上手な焼き芋。

 

ほうれん草は、白和えをイメージして豆腐のクリームが添えられている。生でも食べられるサラダほうれん草の味を際立出せるため、茹でるのではなくさっとソテーして、あえて和えずに(あ、ダジャレではないの・・・)豆腐と分けたそう。この豆腐クリームもフレッシュタイプのチーズのように濃厚!よく考えられているなあと関心してしまう。

デコポンのサラダはバルサミコの味付けで爽やか。美味しい。

 

そしてれんこんのソテーは、焼いて塩を振ってあるだけなのだけど、シャッキリとほっくりが際立って、お塩のみ味付けがれんこんを引き立てていた。

シンプルの極みのような調理法でここまで美味しくなるとは。私の中での料理のハードルも下がり、帰ったその日に自宅で同じものを作ってみたけど、お店と同じように美味しくできた。

 

デザートはちょこんとかわいい豆皿に乗った焼きリンゴと、追加で頼んだスパイスコーラのミルク割り。

 

冬らしい根菜類、春を告げるデコポンと菜の花、締めは冬の名残を感じるなきゅんと酸っぱいりんごを味わうことに集中していたら、自分の体の感覚や今生きている時間にまで意識が向いて、穏やかな気持になれました。3月上旬という季節を詰め込んだような一皿で、食から季節を感じれるのもよかったなあ。

 
最近自分を労れていないな、というすべての方に

 私が行った土曜日は、女の子二人組みで来ている人や、お母さんと娘ちゃん、一人で来ている男性まで、結構いろんな層の人がいたな。

外食って、どこか肩肘張って席についたり、自分がおしゃれな店にいるなんて居心地が悪い・・・と感じるシーンもあるけれど、

「ごゆるり」の店名通り、目の前の一皿をじっくりと味わうことを受け入れてくれるような温かいお店に感じました。

 

ぜひ予約して、自分に「ごゆるりする日」をプレゼントしてあげてみてはいかがでしょうか^^?

 

 

ピンクとみどり

 

今日は色の話。

 

好きな色はなんですか?と聞かれた時、私の答えは緑と決まっているのだけど、緑だったらこの色、青だったらこの色が好き、というように頭の中では、何色と命名されているのか分からないたたくさんの色が浮かんでいる。

 

そういう意味で好きな色を一色に限定するのは本当は難しくて、「夕日が沈む時の雲の淡い紫色が好き」とか答えてくれる人がいたら、なんだこいつ…とは全く思わず、美しい色を発見する仲間を見つけたと、嬉しい感動を抱くに違いない。

 

好きな色を緑と単色に限定するのも難しくて、私は特にピンクと緑、紫と緑の組み合わせが好きだ。実家の部屋のコーディネートも、緑系の水玉カーテンを買ってもらって、ライラック色の布を買ってきて、ベッドカバーを作ったりしたなぁ。

 

この前買ったラズベリーピスタチオのケーキもまさに、ピンクと緑の組み合わせ。

駅中のケーキ屋さんで見つけた瞬間即決してしまった。断面が淡いグリーンとピンクの可愛すぎるお姿にため息が出てしまうよ…。

真珠みたいな粒は、サクッとしたパフがホワイトチョコでコーティングされたもの。
ムースがとても美味しくて、一口一口が華やか!

ちなみに、先ほどからちらついているお花はラナンキュラス

 

ラナンキュラスはケーキを買う直前に選んだのだけど、帰宅する道すがら、どちらも濃いピンク×グリーンの組み合わせだと気づいた。

特に意識してたわけではないけど、これが今日の私の気分だったのかも。

春を詰め込んだ色合い可愛いな🌸

 

ラズベリー×ピスタチオは、その色の組み合わせも好きだし、マカロンやジェラードでも自然とよくその味を選んでしまう。

一年前に撮っていた写真。私はスイーツを花越し撮るのが好きなんだな笑

 

ファッションも、服がグリーンでさりげなく靴下がピンクとか、ピンク系のメイクに緑系のイヤリングとか、可愛いだろうなぁ。ピンクに緑が入ると、甘さだけじゃない爽やかな印象も加わるところが好きなのよね。ピンクを身につけやすくなるというか。

 

ビビッとくる色の組み合わせを見つけて楽しんだり、自然界にあるたくさんの色を家に持ち込んで鑑賞してみる。身につけてみる。

そんなふうにして、色から元気をチャージする時間もいいなと思ったある一日でした(*^^*)

 

 

何もない休日、スープを作ってパンを添えて。

ポタージュへの愛

 

2月のとある土曜日。

 

たまった洗濯物やら掃除やらを午前に終わらせて、一日を充実させることをして...と前日にあれこれ考えを巡らせていたのに、微妙に寝坊してしまった朝。

 

計画が早々に頓挫して、浮き立った気分が急にしぼみそうになったけれど、いやいや、まだあきらめるは早い、今日を「いい一日」に昇格させるぞ!と思いついたのが、スープ作り。

朝ごはんにはもう遅く、ブランチが決定してしまった時間帯でも、スープ一品を作ることならできる。

 

特に、ポタージュスープが大好きだ。

私にとって、かぼちゃと人参はポタージュのおなじみメンバーで、他にもさつまいも、とうもろこし、ビーツ、ごぼうなどの野菜でも、実家に暮らしていた頃に母が作ってくれたことがある。野菜の色と香りが凝縮されたピューレに、乳製品のコクとまろやかさが加わった贅沢なスープは、口にすると食道と胃が内側から温まってきて、心までほぐれてくる気がする。

 

 

よし、作ってみよう

近くの八百屋さんで、メキシコ産かぼちゃ(北海道産とか国産はやっぱり夏しか出回らないのかなあ)と、新玉ねぎ3つで100円(嬉しい♡)を買ってきた。

 

バターで玉ねぎを炒めるとかぐわしい香りがキッチンに立ち込めた。
この工程、料理の中で、一番好きかもしれない。

ただでさえ柔らかい新たまちゃんは、すぐにくたくたになる。

玉ねぎに透明感が出てきつね色になり始めたらかぼちゃとお水、コンソメを投入。
かぼちゃを柔らかくする。

かぼちゃが柔らかくなったら、ミキサーに水ごと投入して、かぼちゃ&玉ねぎピューレにする。ブレンダーがあれば、お鍋からの移し変えがいらないんだけどね。

ピューレできた。また火にかけて、牛乳を入れる。

ミルクの白とかぼちゃの黄色がマーブル模様。もうすぐできるぞ〜

塩で味を調えて・・・できた。

 

ブランチいただきます

 

いただきます。

 

きれいな黄色のスープに添えたのは、ロデヴというパン。

のっぺり、ぽってりという表現が似合う、温かみのあるフォルム。

ロデヴ、少し前までは知らかったけど、偶然近くのパン屋さんで見つけて、どこか心惹かれるものがあり、買ってみたらその美味しさに感動。

高加水パンと言われるもので、中がもっちりとしているのが特徴。小麦の風味もとても良く感じられる。カットした断面を観察すると、いかにもたくさんこねられて、むくむく発酵した痕跡がうかがえる、気泡がたくさんの生地。

食感のイメージは、どこかカヌレに似ている気がする。
水分が飛んでしまうので、パン屋さんで見つけたらぜひその日のうちに食べてみて。

ネットでロデヴを検索すると、南フランスの一部の地方で古くから作られているパンらしい。ロデブ発祥の地の美しい街並みの写真を見ると、素朴なこのパンが似合う街なんだろうなと想像できて、フランスに行きたくなっちゃった。

スープと美味しいパンがあれば、ごちそうになる。

 

ゆっくりと起きて、できる過程に心を預けてスープを作り、そこに美味しいパンを添えれば、今日という日はささやかなごちそうを味わった、すてきな休日だ。

市販のスープでもいいけれど、多めに作ればまた次の朝にもお楽しみが待っているのも手作りの嬉しいところ。

 

身体と心を温めるゆったりとした休日、こんな日がまたあってもいいな。